ビックリした。
遺体を自宅に運んだ後、お坊さんを呼ぶ、と言う。
時間は、既に夜中の１時。
こんな時間にお経をあげに来てくれるのか。
なんと、来た！
確か、２時頃だったと思う。
枕経（まくらきょう）と言うらしい。
本当は、このお経を聞きながら息を引き取るのが理想らしいが。。。
当然、祖父の遺体はまだ暖かく、そのうち、目を覚ますのではないか、と思うくらい。
非常に穏やかで、良い顔をしている。
喉に詰まらせたのが、穴子寿司だったらしい。
祖父の大好物だ。
それも、５つも食べたらしい。
最後の５つ目が喉に詰まった。
先週、様子を見に来た時も、食べ物を飲み込むのに時間がかかっていた。
やはり、徐々に身体が弱ってきていたのだろう。
義母が祖父の面倒を見る様になってから約１０年。
ほぼ毎週、祖父の様子を見に来ていた。
最初の頃は、一緒に喫茶店に行っていた。
そのうち、歩く事が難しくなってきたら、甘い物をお土産に持って行った。
祖父は、甘い物が大好きだ。
最初のうち、コーヒーが好きだと思っていて、コーヒーを頼んでいたのだが、毎回、毎回、大量の砂糖を入れる。
フト思って、ココアを頼んでみたら、おいしそうに飲む。
しかも、その次からは、ココアが欲しい、と言い出した。
コーヒーが好きなのではなくて、甘い飲み物が好きだという事に気がついた。
枕経を聞きながら、そんなことを考えていた。
この晩は、義母が添い寝をしたらしい。